「毒だし」ってなんだろう?

ホメオパシーを始めたばかりの最初のセッションで専門家に診てもらうと、「まずは毒だしから始めましょう」とよく言われることが多いようだ。
さて、この「毒だし」っていったいなんなんだろう?
ホメジャの体験談を見ると、毒だしの基本レメディとして、Nux-vとSulph.を朝晩交互に、予防接種の毒だしとしてSil.、というのが定番らしい。
でもこのレメディの処方なら、ホメジャじゃなくても、例えばクラシカル系とされる日本ホメオパシー振興会で頒布しているエインズワース社の42種基本レメディキットでも対応できるのだ。
日本ホメオパシー振興会のサイトにある、マテリアメディカの日本語の要約を見ると、こんな感じ。

  • Nux-v (ナックス・ボミカ)

二日酔い、消化不良、イライラ、便秘、嘔吐、風邪。
http://nihon-homeopathy.net/remedy/nux-vom.htm

  • Sulph. (サルファー)

家の掃除。心ここにあらずの教授。
http://nihon-homeopathy.net/remedy/sulphur.htm

なかなか治らない、治りかけの感染症、瘢痕(はんこん)組織、傷あと。便秘。
恥ずかしがり屋の傾向。
http://nihon-homeopathy.net/remedy/silica.htm

。。。しかし、このマテリアメディカの記述をよーく読んでも、なんでこれで「毒だし」ができるのか、サッパリわかりません!
そもそもこの、「毒」っていったいなんなんでしょうね?
それがわからないことには、何をどういう代謝経路で体外に排出しようとしているのか、理解不能

また、いざこのメソッドで「毒だし」をしようとしても、ホメジャのキットの中でこれらのレメディが全種類入ってるというわけではなく、どれかは一部は入ってるけど一部は欠けている、というものばかり。
例えばポーテンシーは異なるものの、36種セットにはSil.がないし、キッズトラウマセットにはNux-vがない。
まぁ、単品で買い足してもいいんでしょうけど。。。
なので、まず最初は日本ホメオパシー振興会でエインズワースのキットを買って、セルフケアでホメジャのメソッドで「毒だし」を行うのが安上がり、ってことでしょうか?!

また以下、どうでもいい話ですが、Sulph.はフルスペルはSulphur、鉱物系のレメディで、元素では硫黄のこと、火山地帯などに行くと噴気が出ているところから黄色い針状の結晶が析出していることがありますが、あれが金属状態の硫黄です。硫化水素H2Sガスが空気中で酸化して金属化した結晶が、あの硫黄華と呼ばれる可憐で美しい姿です。
しかしホメジャではsulphurを「ソーファー」と呼んでいるようだが、薀蓄を言わせてもらえば、ちょっとこれは発音は正しくない。
詳しくは手元の英和辞書見てもらえばわかるけど、例えばテレビのコマーシャルでマリナーズイチローが「サルファフリー」と言ってますね、これは石油の中の硫黄分を取り除いたガソリンのことですよ。
さらに薀蓄を言えば、イギリス英語ではスペルはsulphur、アメリカ米語ではスペルはsulfur、となります。日本ではホメオパス養成学校のほとんどは英国経由で入ってきていて、レメディのメーカーもイギリスが多いからこうなってる、ということですかね。
ま、こういう細かいところも、「この人どういう流派に属するんだろう?」というリトマス試験紙として使えるのだ。